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施設長 宮崎佳子 (みやざきけいこ) 1977年、大阪福祉事業財団に就職。城東老人ホームに転勤してきてから6年。 福祉の世界に身をおいてからいつしか29年が過ぎました。 [ 過去のコラム
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| 2007.1.14
《明けましておめでとうございます》 今年は亥年。『猪突猛進』は、たいへん勇ましく勢いのある言葉ですが、何にむかって突進するのか、それが今一番大切で、問われていることです。景気の回復も、私たち庶民にはさっぱり実感できず、富める者と貧しい者の格差は広がるばかりです。福祉をとりまく状況は大変きびしいですが、今年もへこまず、へこたれず持久戦で頑張っていきたいと思います。昨年同様皆さま方のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。 昨年は、感染性胃腸炎で、多くの皆さまにご迷惑とご心配をおかけ致しましたが、利用者のみなさん、職員一同元気で新年を迎えることができました。引き続き、予防対策を徹底し、健康管理と安全確保に力を注いで参りたいと思います。
≪過去のコラム≫ 2006.10.27 《城東老人ホーム30周年記念式典を終えて》 10月7日(土)、皆さまのご協力のもとに城東養護老人ホーム改築30年、城東特別養護老人ホーム開設30年の記念式典を開催致しました。 関係行政機関や地元振興町会ならびに老人クラブ連合会の役員の皆さま方、日頃お世話になっているボランティアや家族会の世話人の皆さま等、たくさんの方々にご出席を頂き式典を終えることができました。ありがとうございました。 あらためて施設の30年の歴史を振り返り、多くの皆さまに支えて頂いて城東老人ホームの今日があること、今後さらにご期待にそえるように職員一丸となって頑張っていくことを決意した式典となりました。 これからもよろしくお願い致します。 2006.7.17 ≪少子高齢化世界一≫ 梅雨明けの便りが待ち遠しい頃となりました。長雨は私たちに大きな被害をもたらしますが、適度の雨は米や農作物にとってはまさに天からの恵み。今年はおいしい野菜や果物が食べられるかなぁとそんなことを考えながら、蒸し暑さと格闘しています。 さて先月末に、総務省が国勢調査の速報を発表しましたが、総人口に占める65才以上の高齢者の割合が21.0%、一方15才未満の人口も13.6%と日本は世界一の少子高齢化国家になりました。ひとり暮らし世帯も全体の27.6%あり、合計特殊出生率1.25を裏づける数字です。 同時期に、厚生労働省が国民生活基礎調査結果を公表しました。生活が苦しいと答えた世帯が過去最高の56.2%に達しましたが、低所得層ほど一世帯あたりの平均所得額の減少率が大きく、格差の拡大が進んでいる実態が明らかになりました。また日本では、65才以上の高齢者のうち22%が働いており、フランスの1.4%やイタリアの3.4%と比べても突出した数字になっています。「いきがいや健康のため」という理由もあるでしょうが、内閣府の生活意識調査でも高齢者世帯の約50%が「生活が苦しい」と回答しており、生活のために働かざるを得ない実態を物語っています。 今、各地の市役所には、国保料、住民税、介護保険料の大幅負担増に怒る高齢者が押し寄せています。公的年金等控除の縮小や老年者控除の廃止などの税制改正により、年金支給額は下がっているのに保険料負担が増大するという大きな矛盾が起こっています。 世界一の高齢化国家に恥じない社会保障制度・高齢者施策を早急につくりあげていかなければなりません。まさに国民的課題です。 〜園庭に建設する地域交流センターも先日地鎮祭を終え、今基礎工事の真っ最中です。10月には皆さまにお披露目できる予定です。ご期待ください〜 2006.4.16 ≪あらたに民立民営施設として出発しました≫ 新年度を迎え花冷えの日が続いていますが、ホームの園庭の八重桜がきれいに咲き揃い、ひとときの安らぎをあたえてくれています。4月1日より、城東老人ホームは、大阪府から土地・建物を譲渡され、府立施設からあらたに大阪福祉事業財団の民立民営施設として再出発することになりました。 養護老人ホームの全身である昭和37年開設の「城東養老の家」から40年余りの歴史をもつ施設ですが、府民の大切な財産を譲り受けさせていただいたことの責任をしっかり受け止めて、今後も事業の運営と発展に、微力ながらも力を尽くしていきたいと思っています。 2000年度の介護保険制度の施行から、この間の高齢者福祉をめぐる制度のめまぐるしい改変は,高齢者の皆さんの生活や施設の運営にも、大きな変化をもたらしてきました。法人の基本理念である綱領に謳っている『大阪福祉事業財団のすべての施設と事業は、国民の人権と幸せを守るためにあります。わたしたちは、常に利用者・国民の立場に立ち、日本国憲法に明記された生存権・基本的人権を守り発展させる事業と運動をすすめます−』の原点に今一度立ち返り、城東老人ホームの実践を築いていきたいと思います。 桜の花を見上げるお年寄りの笑顔が決して曇ることがないように、そのほほえみを力に大地にしっかり根をおろし、今年度も職員一同ファイトで頑張る決意です。 2003.9.30.
ある雑誌を読んでいた時、現代医療を批判するたとえとして、「最近の医者は、病気は治せても病人を治すことはできない」という一文がありました。それがとても心にのこり、考えさせられてしまいました。たしかに、コンピューターの画面ばかり見ていて、患者さんとしっかり向き合い、相手を見つめることも、身体に触れることも忘れている。極端な表現かもしれませんが、「医療の原点とは何か」を問いかけているような気がしました。 2003.12.18. 自衛隊のイラクへの派兵が決まりました。基本計画が発表された日の街角インタビューでのある若者の答え。「国民が選んだ政治家が決めたことだから仕方がない。企業でもトップが決めたことにはさからえないでしょ。ぼくは選挙に行かなかったけど・・」。見ていた私はテレビの画面をにらみつけ、怒り心頭。「あたなたは、国からイラクへいけと言われたら行くの?」 「国家のため国民のため、犠牲になられたお二人の尊い遺志を受け継いで・・」。これはイラクでテロの犠牲になった二人の外交官への小泉首相の弔辞です。「国家」とは何でしょう。「国民」とは。亡くなられた「お二人の尊い遺志」とは・・。 国民のいのちが大切にされ、平和で幸せに暮らせてこそ、国家の存在する意義があります。「国民の危機」は「民主主義の危機」です。そして「国民への攻撃」は「民主主義への攻撃」です。国の進むべき道筋を決めていくのは、わたしたち国民の権利であり責任です。 終戦から58年。城東老人ホームでは、毎年「福祉まつり」の「いきがいひろば」で戦争体験文集「かたりべ」を発行しています。「福祉まつり」も今年で27回目になりました。今ホームに入居しておられる方の平均年齢は83歳です。まさに戦争に青春を奪われた方たちです。そんなみなさんの悲痛な心の叫び、それは「戦争はもう二度としてはいけない」ということです。 若者たちに戦争の悲惨さ、不合理さを語り継いでいくこと。それも老人ホームで働くものとしての大切な役割です。平和に対するこだわりは頑固に持ちつづけていきたいと思います。 2004.5.1. 「自己責任」と「国家責任」--イラクでの人質解放をめぐり、連日マスコミを賑わしている議論ですが、もうひとつの「責任」問題が、今国会で審議されている年金問題です。 国民年金の保険料未納者は約4割もいると言われていますが、閣僚の中にも払っていない人がいたことで国民の顰蹙(ひんしゅく)をかっています。政治家のように、一定の収入のある人が保険料を払わないのは、怠慢でしかありませんが、多くの庶民の生活はそれとは全く違います。 長引く不況や賃下げ、リストラのなかで、払いたくても払えないのが今の生活実態です。これに対し、政府関係者のなかには、「払うべきものを払わないでおいて、給付だけ受けようなんて虫がよすぎる」と、「自己責任」を追及する論調があります。 私の友人の某氏は、小さな「飲み屋」のマスターですが、この不景気の上に、店の改装費用の返済、さらに追い討ちをかけるようにBSE問題や鳥インフルエンザで、店の経営は危機に瀕しています。彼は保険料を払えていたでしょうか。ふと気になりました。 年金は、私たち働き盛りの世代にとっても、将来の生活を左右する大きな関心事です。また、高齢者にとっては、まさに生活の糧であり、命綱です。暮らしていくこと、食べること、病院に行くこと。戦前、戦後を必死に生き抜いてこられたおとしよりは、決して贅沢は望んでおられません。医療や福祉の自己負担率が年々引き上げられていくなかで、国の責任において、最低限の年金保障制度をつくりあげていくことの必要性を痛感しています。 人が生きていく上で大切なことは、たとえつつましい生活であっても、自分なりに、そして自分らしく明日に希望をもって生きていけること。明日が見えない不安は、生きる力をも奪ってしまいます。 すべての人のいのちと暮らしを守ること、誰もが安心できる社会保障制度をつくっていくこと、それこそが、今政府に求められている「責任」ではないでしょうか。 2004.8.20. 毎年9月は「敬老月間」です。高齢者問題が大きな国民的課題になっている昨今ですが、果たして誰もが安心して、心から長寿を喜びあえる社会になっているでしょうか。いま、見直しの論議がされている介護保険制度についても、国の財政削減のために、何としてもサービスの対象者を削っていこう、利用者の自己負担を増やしていこうというのがねらいであって、制度発足時の目標であった高齢者の「自立支援」が、高齢者に大きな痛みを強いているのが実態です。 人にはそれぞれ70年、80年と生きてきた、かけがえのない歴史があります。それは個人の歴史であると同時に、個を超えた大きな流れのなかで、その人が社会に印してきた足跡でもあります。私たちの財産である日本国憲法には、「基本的人権」と「主権在民」が謳われています。国民の一人ひとりを大切にすることが、日本という国をほんとうにやさしく豊かで活力のある国に変えていくことになります。歴史の大きな流れこそ、主人公である私たちがつくりだしていかなくてなりません。 来年の通常国会に提出が予定されている介護保険の見直し法案を、ほんとうの意味で利用者本位のものにしていくため、みなさんと力を合わせて大きな運動をつくり出していきたいと思います。
2004.12.14. 11月の休みを利用して、韓国に行ってきました。今大変な「韓国」ブームなので、「『冬ソナ』ツアーに行ってきたの?」と聞かれますが、残念ながら(?)今回は違いました。 昨今の韓国映画やドラマが、近くて遠い存在だった韓国をグッと身近に引き寄せてくれたのは確かですが、今、イラクへの自衛隊派遣が既成事実として「あたりまえ」になってしまい、戦争放棄を謳った憲法9条までが変えられようとしているなかで、過去の歴史を学びたいと思ったからです。 1910年の日韓併合からの36年間、日本は韓国を支配下においてきました。元従軍慰安婦の方が共同で生活しておられる「ナヌムの家」を訪ねて、実際に体験者の話しをお聞きしました。過去を語ることは辛いと仰りながらも、その行為がいかに人間としての尊厳を傷つけ、戦後60年近くたった今もなお、その屈辱から逃れられずに生きているかを語ってくださいました。そして、韓国人の通訳の方から、「日本人すべてが悪いわけではない。大切なのは、日本がこれからどう平和のために貢献していくかだ」と言われました。 中山文部科学相は、先日、歴史教科書の検定問題にふれ、「やっと最近、従軍慰安婦とか強制連行とかの言葉が減ってきてよかった」「日本が過去に悪いことばかりしてきたという自虐的な歴史教育をしてはいけない」と述べていました。その良識が問われます。 日本は国家として、元従軍慰安婦の方に正式に謝罪し、その方たちの名誉の回復のためにも賠償責任を果たすべきです。独立記念館を訪れたとき、日本帝国主義による忌まわしい過去を振り返り、書かれていた一文が心に残りました。 「許すことはしても、決して忘れてはならない」と・・・ 2005.3.2. 2005年がスタートして、はや2か月が過ぎました。昨年は大きな台風や地震が相次ぎ、自然災害の恐ろしさをあらためて思い知らされた一年でした。新しい年は、まず何より平和で人びとのいのちが大切にされる社会をめざしていきたいと思います。 さて、昨年より「利用者にとってよりよい介護保険制度に」との要望をかかげ、署名活動等のご協力をいただきました介護保険の見直し法案が、いよいよ国会での審議が始まりました。 2000年4月以前の、介護保険制度が始まるまでに施設に入所された方の利用料減額措置は、当初の5年間打ち切り予定を、さらに5年間延長させることができました。これは、署名活動や厚生労働省との交渉等の成果によるものです。今年10月から予定されている従来型多床室でのホテルコスト(光熱水費)徴収や、食費の全額自己負担化についても、さらに大きな運動の輪をつくり出し、全面撤回に向けて力を尽くしていきたいと思います。引き続きのご協力をよろしくお願い致します。 2005.5.6. 毎年のことですが、2月の予算編成から、年度末総括、新年度事業計画、そして決算業務と、ゆっくり桜の季節を味わう間もなく、新しい年度がスタートします。 「忙しい日々の中でも、心のゆとりを失ってはいけない」とは思うのですが、それがなかなか実行できないのが悲しいところです。しかし、考えてみると、いつも忙しい時ほど無意識に、切花や鉢植えを買ったり、好きなCDを聞きながら寝たりしています。きっと心は安らぎを求めているのだと思います。 残業が続く毎日で帰宅が遅くなっても、家に帰るとなぜかほっとします。小さくて片付けもできていない我が家ですが、居心地がよく落ち着ける場所です。そこには、私の生活があります。ただ帰って寝るだけでも、また元気をとりもどすことができます。 老人ホームで暮らしておられるみなさんにとっても、施設はそんな我が家であって欲しいと思っています。城東老人ホームは1975年に設立された府立施設ですが、当時の規準に基づいているため、1人あたりの面積も狭く、建物設備も古くなってきています。 今年度は、少しでもゆとりある空間をつくって、生活の潤いや心地よさを感じとっていただけるように大規模改修を計画しています。全室個室の最新式設備とまではなかなかいきませんが、「建物の古さは30年の歴史と経験で補える」と、胸をはって言えるように、全職員でさらなる研鑚を積み、がんばっていきたいと思っています。 ※介護保険制度見直しに向けた要求署名へのご協力ありがとうございました。軽度者排除、特養入居者からのホテルコスト、食費の全額徴収に反対し、引き続き請願活動をしていく予定です。今後ともよろしくお願い致します。 2005.10.10. 皆さんに請願署名への協力も頂きましたが、特養のホテルコスト徴収が10月から始まりました。施設の改修工事の着工も同じ日からスタートということで、あわただしく10月1日を迎えました。おかげでこのコーナーもすっかりご無沙汰してしまいました。 気がついてみればこの間に、小泉首相はひとり勝ちし、見事にしてやられたという感じです。なんとなく強そうに見えるリーダーを求める有権者の心を、巧みにつかんだ手法です。 郵政民営化だけではなく、政策の議論をもっとして欲しかったし、聞きたかったと思います。今回の介護保険制度の改定で、ほんとうに高齢者の尊厳は守られるのか、高齢者が大切にされるためには何が必要で、どんな社会でないといけないのか。多くのお年より自身の声に耳を傾けることも必要です。 最近、柳田邦男さんのエッセイ「壊れる日本人」を読みました。「異常」に気がつかない日本人に、携帯電話・ネット依存やメディアがもたらす弊害を告発しています。一瞬にして何人もの人たちに送り届けられるメールや、いつでも好きな人とだけの会話の世界にはまっていく若者たちに、あらためて人と向き合う姿勢を取り戻すこと、他人と空間を共にすることの大切さを訴えています。若者だけでなく、政治家にも言えることです。 今、日本人が持たなければならない知的教養とは「見えないものを見る眼」であるーと著者は述べています。秋の夜長、わが身も振り返りつつ、この言葉のもつ重みを考えてみたいと思います。
2006.2.3. 新しい年がスタートし、はや1ヶ月が過ぎました。新年のご挨拶がたいへん遅れましたことを、まず始めにお詫び申し上げます。遅ればせながら、今年が皆さま方にとりまして素晴らしい1年になりますように、心よりお祈り申し上げます。 さて、昨年はJRの相次ぐ脱線事故や、耐震強度偽装事件の発覚など、安全・安心よりも利益が優先される今の社会のあり方が大きく問い直されました。 また、幼い子どもたちも病める大人社会の犠牲となり多くの尊いいのちが奪われました。 年始の新聞の1面には、国民健康保険料の滞納者が30万世帯を超し、ここ4年で3倍になったと報道していました。病気になっても医者にかかることさえできない人たちがいるこの実態は、豊かな国といわれる日本の歪んだ現実を告発しています。 暗いニュースが続くなかですが、今年もたくさんの皆さま方から、心温まる年始のご挨拶をいただきました。その1枚1枚が私たちの大きな励ましになります。 当法人の富永隆治前会長からも、力づよいお言葉を頂きました。 −『自然に逆らうことなく緩々と過ごしております。然し、人のいのちとくらしを損ないかねない憲法や施策の改悪には、老いの一徹で逆らいます。』− この4月には介護保険制度の見直しがあります。長年にわたり高齢者福祉を支えてきた養護老人ホームの役割そのものも、根本から改変されようとしています。利用者の皆さんにも、施設経営にも一段と厳しい攻撃がくわえられようとしていますが、みんなで力を合わせて跳ね返していきたいと思います。 また、皆さまにご迷惑をおかけしていました施設の改修ですが、お蔭様をもちまして11月末に完成致しました。今年は地域交流センターの建設を予定しています。引き続きまして、ご協力をよろしくお願いいたします。 冒頭でもお詫びいたしましたが、私事ながら年明け早々に足の指を骨折してしまいました。また運悪く1月末にはインフルエンザで寝込んでしまい、今やっと1ヶ月おくれのスタートをきったところです。これで1年の厄がおわったかなァと、物事を良い方に考え自分をなぐさめているところです。皆さまもくれぐれもご自愛の程を・・・。
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